貸倒れ

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(貸倒れに係る消費税額の控除等)

第三十九条 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が国内において課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。)を行つた場合において、当該課税資産の譲渡等の相手方に対する売掛金その他の債権につき更生計画認可の決定により債権の切捨てがあつたことその他これに準ずるものとして政令で定める事実が生じたため、当該課税資産の譲渡等の税込価額の全部又は一部の領収をすることができなくなつたときは、当該領収をすることができないこととなつた日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から、当該領収をすることができなくなつた課税資産の譲渡等の税込価額に係る消費税額(当該税込価額に百八分の六・三を乗じて算出した金額をいう。第三項において同じ。)の合計額を控除する。

2 前項の規定は、事業者が財務省令で定めるところにより同項に規定する債権につき同項に規定する事実が生じたことを証する書類を保存しない場合には、適用しない。ただし、災害その他やむを得ない事情により当該保存をすることができなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。

3 第一項の規定の適用を受けた同項の事業者が同項の規定の適用を受けた課税資産の譲渡等の税込価額の全部又は一部の領収をしたときは、当該領収をした税込価額に係る消費税額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなしてその事業者のその領収をした日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。

4 相続により当該相続に係る被相続人の事業を承継した相続人がある場合において、当該被相続人により行われた課税資産の譲渡等の相手方に対する売掛金その他の債権について当該相続があつた日以後に第一項の規定が適用される事実が生じたときは、その相続人が当該課税資産の譲渡等を行つたものとみなして、同項及び第二項の規定を適用する。

5 相続により当該相続に係る被相続人の事業を承継した相続人が当該被相続人について第一項の規定が適用された課税資産の譲渡等の税込価額の全部又は一部を領収した場合には、その相続人が同項の規定の適用を受けたものとみなして、第三項の規定を適用する。

6 前二項の規定は、合併により当該合併に係る被合併法人から事業を承継した合併法人又は分割により当該分割に係る分割法人から事業を承継した分割承継法人について準用する。

 

     消費税法施行令第59条 (貸倒れの範囲等)

第五十九条  法第三十九条第一項 に規定する政令で定める事実は、次に掲げる事実とする。

 再生計画認可の決定により債権の切捨てがあつたこと。

 特別清算に係る協定の認可の決定により債権の切捨てがあつたこと。

 債権に係る債務者の財産の状況、支払能力等からみて当該債務者が債務の全額を弁済できないことが明らかであること。

 前三号に掲げる事実に準ずるものとして財務省令で定める事実

     

  消費税法施行規則第18条 (貸倒れの範囲)

  (貸倒れの範囲)

第十八条  令第五十九条第四号 に規定する財務省令で定める事実は、次に掲げる事実とする。

 法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で次に掲げるものにより債権の切捨てがあつたこと。

 債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの

 行政機関又は金融機関その他の第三者のあつせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容がイに準ずるもの

 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その債務を弁済できないと認められる場合において、その債務者に対し書面により債務の免除を行つたこと。

 債務者について次に掲げる事実が生じた場合において、その債務者に対して有する債権につき、事業者が当該債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れとして経理したこと。

イ 継続的な取引を行つていた債務者につきその資産の状況、支払能力等が悪化したことにより、当該債務者との取引を停止した時(最後の弁済期又は最後の弁済の時が当該取引を停止した時以後である場合には、これらのうち最も遅い時)以後一年以上経過した場合(当該債権について担保物がある場合を除く。

ロ 事業者が同一地域の債務者について有する当該債権の総額がその取立てのために要する旅費その他の費用に満たない場合において、当該債務者に対し支払を督促したにもかかわらず弁済がないとき。

 

     

  消費税法施行規則第19条 (貸倒れの事実を証する書類及びその保存)

 

第十九条 法第三十九条第一項の規定の適用を受けようとする事業者は、同項に規定する債権につき同項に規定する事実が生じたことを証する書類を整理し、同項に規定する領収をすることができないこととなつた日の属する課税期間の末日の翌日から二月(清算中の法人について残余財産が確定した場合には、一月)を経過した日から七年間、これを納税地又はその取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地に保存しなければならない。

  (取引を停止した時の意義)

14‐2‐1 規則第18条第3号イ《貸倒れの範囲》に規定する「取引を停止した時」とは、継続的な取引を行っていた債務者につきその資産の状況、支払能力等が悪化したためその取引を停止するに至った時をいうのであるから、例えば、不動産取引のようにたまたま取引を行った債務者に対して有する当該取引に係る債権について同号に規定する経理を行ったとしても、法第39条第1項《貸倒れに係る消費税額の控除等》の規定は適用されない。

(貸倒額の区分計算)

14‐2‐3 法第39条第1項《貸倒れに係る消費税額の控除等》の規定の適用に当たり、課税資産の譲渡等に係る売掛金等の債権とその他の資産の譲渡等に係る売掛金等の債権について貸倒れがあった場合において、これらを区分することが著しく困難であるときは、貸倒れとなったときにおけるそれぞれの債権の額の割合により課税資産の譲渡等に係る貸倒額を計算することができる。

(注) 当該区分計算をした貸倒額についてその全部又は一部を領収した場合には、当該区分計算した割合に基づき同条第3項《貸倒回収額に係る消費税額の調整》の規定を適用するものとする。

(免税事業者であった課税期間における売掛金等の貸倒れ)

14‐2‐4 課税事業者が、免税事業者であった課税期間において行った課税資産の譲渡等に係る売掛金等につき貸倒れが生じ、当該課税資産の譲渡等の価額の全部又は一部の領収をすることができなくなった場合であっても、当該領収をすることができなくなった金額については法第39条第1項《貸倒れに係る消費税額の控除》の規定の適用はないのであるから留意する。

(注) 同項の規定の適用を受けない貸倒額については、当該貸倒額の全部又は一部の領収をした場合であっても法第39条第3項《貸倒回収に係る消費税額の調整》の規定の適用はない。

(免税事業者等となった後における売掛金等の貸倒れ)

14‐2‐5 課税事業者が事業を廃止し、又は免税事業者となった後において、課税事業者であった課税期間において行った課税資産の譲渡等に係る売掛金等につき貸倒れが生じ、当該課税資産の譲渡等の税込価額の全部又は一部の領収をすることができなくなった場合であっても、当該領収をすることができなくなった金額については、法第39条第1項《貸倒れに係る消費税額の控除等》の規定の適用はないのであるから留意する。

(注) 課税事業者が事業を廃止し、又は免税事業者となった後に、課税事業者であった課税期間において同項の規定の適用を受けた貸倒額についてその全部又は一部を領収した場合であっても法第39条第3項《貸倒回収額に係る消費税額の調整》の規定の適用はない。